医師転職の事情:宮城

平成18年10月、宮城県の病院数は148施設で前年の151施設より3施設減少し、人口10万人対施設数は全国平均が7.0施設であるのに対し6.3と、0.7施設下回っている。また一般診療所は1,587施設で、人口10万人対施設数は全国平均が77.2施設であるのに対し、67.4施設と大幅に平均に達していない。こうした医療施設の不足が課題に挙げられるとともに、現在宮城県では医師の絶対的な不足と、地域及び診療科による医師の偏在などの問題を抱えている。そこで、医師を県職員として採用して自治体病院などに派遣する「ドクターズバンク事業」や、医学生や臨床研修医などに修学資金を貸し付ける「医学生修学資金等貸付事業」など、宮城県では医師確保のために積極的な取り組みを行っている。

県の地域医療対策としては、地域医療支援病院及び地域の中核的な病院と地域の第一線の診療所との連携を促進し、医療従事者の支援を行うことで、各医療に対応した県内の医療提供体制の確立が求められている。また地域医療に従事する意欲と高度な医療能力を身に付けた医師を養成する事を目的として、平成14年度には自治医科大学関係事業において、全都道府県の共同出資により設立された自治医科大学の運営費を負担するとともに、自治医科大学を卒業した医師については、県内のへき地及び地域の中核的な医療機関に一定期間の派遣をさせるなどの制度を設けた。さらに宮城県自治体病院開設者協議会が設置している、東北大学医学部の「医師確保対策専門委員会」の運営及び、自治体病院の医師の需要調査・募集活動に対して補助をする目的として、医師確保支援事業を起こしている。

宮城県の地域医療計画について、平成20年4月に発行された宮城県公報によれば、「その基本理念は県民の医療に対する安心及び信頼を確保し、質の高いサービスが適切に提供される医療提供体制の確立を目指すこととし、医療情報の提供による適切な医療の選択の支援、医療機能の分化及び連携による切れ目の無い医療提供及び在住医療の充実による患者の生活の質の向上等により、その理念の実現を図るものである」としている。また医療従事者の確保については、「医師を始めとした医療従事者の地域偏在と不足等の問題の解決に向け、ドクターズバンク事業、女性医師に係る勤務環境の整備等による医師の確保、各医療従事者養成機関と連携した確保対策等の推進により医療従事者の確保を図るとともに、認定看護師養成事業の推進、各種研修会の実施等により医療従事者の資質向上を図る」とし、へき地医療については先にも述べた自治医科大学への学生派遣を継続することにより、無医地区等への安定的な医療提供体制の確保を図ろうとしている。

東北地区:転職コンサルタント:林・角田