地域医療の崩壊が叫ばれる中、秋田県も例外ではなく、厳しい状況に陥っている。
秋田県には現在、開設者別にすると国立大学病院1、独立行政法人2、県3、市町村12、日赤1、厚生連9、公益法人5、医療法人・個人が45の併せて78の病院があるが、県立の総合病院が無い為、市町村立病院と厚生連病院が、二次医療圏における中核的病院の役割を果たしている。
秋田県の医療施設で働く医師数の現状は、平成18年末で2,142人となり、人口10万人対医師数は全国平均が206.3人であるのに対して秋田県では188.9人と大幅に下回っている。平成19年度の医師充足率についても県全体では125.9%と、総体としては充足されているが、県内の8医療圏のうち3つの医療圏で標準値に達しておらず、二次医療圏ごとに見た場合、一番充足率の低い湯沢・雄勝医療圏では全国平均の半分程度に止まってしまっている。こうした医師の不足と地域偏在が顕著になり、県内での医師の確保を促進するため、現在様々な対策が取られている。
例として、昨年10月より秋田大学に県からの寄附講座である「総合地域医療推進学講座」が開設された。講座の内容としては、医学部1年生の4月から、最新の医学教育理論や、広義のチーム医療を充実するためのコミュニケーション・インフォームドコンセント教育を行うなど、患者中心の医療を実践できる医師の育成を推進している。また、低学年から様々な症例、臨床現場を経験させることにより、医学生のモチベーションアップを促し、秋田県への使命感、早期からの各科、各病院と連帯感を育成していくことを目的としている。さらに昨年度より文部科科学省が開始した「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」の一貫として、秋田大学医学部において「医師キャリア形成支援センター」が設置されており、医師キャリア形成支援センターでは秋田大学の各医局、県内の基幹病院および連携する大学病院の協力を得ながら、秋田県内の専門研修医師のキャリアアップを全面的にサポートする体制を整えている。
現在の秋田県の地域医療の特色としては、地域医療と救急医療が確立されており、県内の各医療圏の中核病院は医療レベルを合わせ、開業医との連携も図られている。県南や県北での医師不足、偏在などの問題はあるが、医師のたらい回しや救命救急での問題は生じず、医療の地域定着が秋田県の医療の強みである。医学生や研修医に対し、将来の羽ばたきを心から願う熱意と、愛情に満ちた指導医の確保こそが秋田県の地域医療充実の生命線なのである。
東北地区:転職コンサルタント:吉田・林